あなたも、「目は口程に物を言う」ということわざを聞いたことがあると思う。
ことわざの意味は、目つきや目の動きから相手の感情がある程度わかる、というもの。
似たようなことわざは外国にもあるそうで、目の様子が感情を表しているという見方は万国共通のようだ。
ことわざというと、根拠の無い迷信と受け取られてしまうが、体のしぐさが人間の心理を表しているということは、行動心理学によってかなり研究が進んでいている。
そして、研究の成果は、ビジネスの交渉の場や、犯罪捜査等にも実際に活用されているという。
人種や性格も全く異なる人間が特定の心理状況に置かれたときに、
なぜ、同じしぐさをとってしまうのだろうか?
とても不思議に感じるかもしれないが、きちんと理由がある。
それは、しぐさとは人間の本能と密接に結びついており、
数百万年の人類の歴史で受け継いだ行動パターンが遺伝子に刻み込まれているからだ。
このことからも、しぐさと心理の関係を知ることは、とても有効な手法であると言えるだろう。
今回は、中でも特に人間の心理を表すとされる、5つの目の動きについてご紹介する。
ぜひ読んで参考にするだけでなく、実際に使ってみてほしい。
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人間心理をあらわす目のしぐさ5選
1.瞳孔が大きく開く
瞳孔が開く、または目を大きく見開いたり、眉毛が上に上がったり・・・といった動作は、人が視線の先にあるものに興味・関心を持っていることを表している。
本当に興味があれば、もっと詳しく見たいと思うのが自然な心の動きだ。
筆者も以前営業の仕事をやっていたころ、製品のどこに顧客が関心を持っているのかは、常に注意を払うようにしていた。
こちらが話をしていて、あまり反応が無い人も、提案資料のあるページに差し掛かった時、目を見開いたり、身を乗り出してきたりすることがある、
その場合、そこは間違いなく顧客の関心事である場合がほとんどだ。
逆に、そういた反応が全く見られない顧客は購入意思が高くない場合が多く、早々に商談を切り上げることもあった。
このように、相手の関心度合いを測る目安として、ぜひ活用してみることをオススメする。
2.黒目が一定の方向に動く
あなたが、相手に何か質問を投げかけた際、相手の黒目の動きに注目してほしい。
実は、目の動きは脳と連動していて、黒目がどの向きに動くのかを見れば、相手が今どういう心理状態なのかをある程度把握することができる。
以下に方向別の心理状態をまとめてみたので、参考にしてみてほしい。
・真上 = 何も考えていない
・右上 = (作為的に)想像している
・左上 = 思い出している
・真横 = 拒絶する
・右下 = (理性的に)困っている
・左下 = (感情的に)困っている
・真下 = 後ろめたい
例えば、質問をした際に相手の目が右上を向いたとすれば、嘘の理由を考えている可能性が高いと言える。
また下を向いた場合、左右真下どちらに向いていたとしても、相手が困惑したり、後ろめたく思っていることを示している。
もっとも気をつけたいのは、目が真横に動いたときだ。
左右どちらの方向に向いても、NOのサインである可能性が高い。
この場合、あまり深追いしないことをオススメする。
3.目をふさぐ
このしぐさは、人は見たくないものは受け入れたくないという心理の表れだ。
会話の最中に、ある話題に差し掛かった時、相手が目をふさいだとしたら・・・
もし、良好な関係を築きたい相手だとすれば、その話題は避けたほうが無難だ。
その話題は相手にとって、触れたくない、嫌いなものかもしれない。
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4.目を細める
これも目をふさぐ動作と似た意味を持つ動きだ。
研究の結果、人は目の前に見えているものに対し、それに興味関心があれば目を見開き、不快であれば目を細めることが判明している。
ケンカの時、相手にメンチを切るのも同じ理屈と言えそうだ。
5.相手の視線でわかる3つの心理パターン
最後に、相手の視線が自分のどこを見ているかで、相手の深層心理を知ることができるテクニックについて、代表的な3つのパターンをご紹介する。
5-1.上半身から顔全体
相手があなたのことをよく知ろうとする心理を表している。
初対面の時に相手の様子をまじまじと見てしまった経験は、あなたもきっとあることだろう。
5-2.「権力ゾーン」
顔の額の真ん中と両目の三点を頂点とした三角形のゾーンを「権力ゾーン」と呼ぶ。
相手があなたの権力ゾーンに視線を向けている時、相手はあなたに対し支配と服従の関係を作ろうとしている。
このゾーンに視線を向けられると、人は強い緊張感を覚えるという研究結果が出ている。
逆に、相手を威圧したい、緊張を与えたいときに意図的にこのテクニックを使うこともできる。
5-3.「社交ゾーン」
両目と口の三点を頂点とした三角形のゾーンを「社交ゾーン」という。
相手があなたのここを見ている時、相手は十分にリラックスしている状態だ。
あなたと良い関係を築いていきたいという、相手の気持ちのあらわれだといえる。
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まとめ
しぐさで人の心理を読み解く場合、人の目の動きは、ほんの一瞬の動きであることも多く、最初は使いづらいかもしれない。
正直、筆者もまだまだ全然使いこなせているとは言えない。
相手の目の動きには注意していても、見逃してしまうことも普通にある。
ただ、人は瞳孔を意識してコントロールすることはできないため、使いこなせれば、かなりの確率で相手の本心を知ることができる。
まずは、知識として覚えたら、日々の生活や仕事において少しずつ実践してみてほしい。
その手間を割く価値はあるテクニックだと思う。
なお、目のしぐさ以外の、しぐさがあらわす人間に心理については以下の記事でも取り上げているので、ご参考までに。
それではまた。
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ジョー・ナヴァロ,マーヴィン・カーリンズ(2010)FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学(西田美緒子訳) 河出書房新社.