あなたは、人の体の中で、最も素直に気持ちが表れやすい部分といえば、どこが思い浮かぶでしょうか?
行動心理学の専門家によると、それは「足」なのだそうです。
たしかに、人間と他の動物を分ける大きな特徴は、「二本足で歩くこと」
、 つまり二足歩行ではないでしょうか。
人間は足を自在に操ることで、他の動物とは大きく異なる進化を果たしてきたと見ることができるわけです。
それだけに、脳と足は密接な関係があるということなのでしょう。
脳の反応がダイレクトに足に出てしまうことも頷けます。
そこで今回は、足のしぐさや癖が表す心理についてまとめてみました。
それでは、早速見ていきましょう!
足のしぐさや癖が表す心理12選
ここでは、足のしぐさや癖が表す心理について、 代表的な12のしぐさを取り上げました。
1.足を交差して立っている
好きな人の前で女性が足を交差させるしぐさを取るシーン、ドラマでもよく見かけると思います。
見方によっては、モジモジしているようにも見えますね。
足を交差している人は、機嫌が良く、心地よく感じているサインだと言われています。
足を実際に交差させてみるとわかるのですが、足を交差して立つと、片足で立っている状態になります。
この状態は、とても不安定で、気持ちが沈んでいる時や、緊張している時には取ることが少ない行動です。
今の目の前にいる相手や、周りの環境がとても心地が良いと感じているからこそのしぐさだと見て間違いなさそうです。
2.足が小刻みに揺れたり弾んだりする
足が小刻みに揺れたり弾んだりすることも、嬉しさや心地よさを表します。
好きな人や、会いたかった人に会った時、自然とステップが軽やかになることは、誰も異論がないと思います。
また座っている時に、テーブルの下にある足が(貧乏ゆすりではなく)小刻みに揺れたりしているたら、相手は、上機嫌であると見て良さそうです。
3.貧乏ゆすりをする
貧乏ゆすりをしている人の多くは、神経質で、不満やストレスを感じやすいようです。
心理的な葛藤の表れとも言えますが、スカートを履かないためなのか、男性のほうが比較的多い癖のようです。
4.足の動きが止まる
それまで足を動かしていた人が、急に動きを止めた場合は、何らかのサインが隠されているようです。
犬や猫など動物達が、突然動きをピタッと止める時は、何らかの危険を察知した時ですよね。
人間の脳も、大脳辺縁系と言われる本能を司る部分は、危機が迫った時、動物達と同じしぐさをとらせるそうです。
足の動きが止まった時、その人は何らかの気持ちの変化があったと推測されます。
それも、ストレスや不安を感じる、悪いほうの変化のようです。
5.足を組む
足を組む人はとてもよく見かけますが、足の組み方によって、その人の心理状態がわかることもあるようです。
並んで座った相手の方向に組んだ上の足が向いている
相手に好意を感じたり、心地よく感じているサインだと言えます。
相手に対し、気持ちがオープンなっている時に表れるしぐさです。
並んで座った相手とは逆の方向に組んだ上の足が向いている
相手に対し、やや不機嫌な気持ちを抱かせているサインだと言えます。
相手との間に足で壁を作ることで、無意識に相手と距離をおこうとしているしぐさです。
足を頻繁に組み替える
貧乏ゆすりをしている場合と同じく、せわしなく足を組み替えるしぐさは心理的な葛藤の表れです。
相手は、今の状況に何らかのストレスを感じているようです。
もしくは、隠し事など言いづらい何かを抱えている場合もあるようです。
6.足の向き
足の向きに注目することでも、その人の心理状態に変化がわかるようです。
話している相手のいる方向に足の向きが動く
人は関心があるものや、心地よく感じている方向に足を向ける傾向があります。
あなたの目の前の人が足を向けて話しをしているとき、相手はあなたを歓迎していると見て間違いなさそうです。
話している相手とは違う方向に足の向きが動く
人は不快に感じたり、嫌いなものから体の向きをそらす傾向があります。
例えば、嫌な相手と話をしなければならない時に、相手の顔を見ないことは、相手に対して失礼に当たってしまいます。
そんな場合、顔や体は相手に向いているけれど、足だけはこの場から立ち去ろうとするかのように、違う向きに向いていることがあります。
尚、好き嫌いの感情だけではなく、単純に話を切り上げたい場合もあるようですので、早とちりしすぎないように気を付けたほうが良さそうです。
7.つま先を上げる(重力に逆らう)
例えば、電話をしながら、かかとを地面につけてつま先を上げるしぐさを取る人を見たことがあると思います。
このようなしぐさを見かけたら、足を小刻みに動かす時と同様に、その人は今、心地の良い気分になっていると言えそうです。
基本的に重力に逆らって足を浮かせるようなしぐさは、上機嫌を表す典型的なしぐさだと見てよさそうです。
8.スタートの姿勢
つま先を上げるしぐさとは反対に、つま先を地面についてかかとを浮かせるようなしぐさを取る人もいます。
このしぐさを取る時は、相手が次の行動に進む準備ができていることを示しているようです。
仕事中なら業務を進めることかもしれませんし、会話の最中なら「相手とさらに良い関係に進みたい」というサインの場合もあるようです。
前後の状況によって、意味を推測してみると良いかもしれません。
9.両足を開く
両足を開く動作は、縄張りを主張しているしぐさだと言われています。
たしかに、先生が怒って生徒を注意する時など、先生が仁王立ちになっている様子が浮かびます。
両足を開くことで、自分のテリトリーのことを心理学ではパーソナルスペースと呼びますが、それを意識的に広げたいという心理が働いているようです。
警察官などは、腕を組んで両足を開くことで相手を威圧していると考えられます。
10.両足の膝を握り締める
座っている人が、両足の膝を握り締めるしぐさをしていたら、その人は、この場から立ち去りたいと思っている可能性があります。
商談中などで相手がこのしぐさをし始めたら、話をそろそろ切り上げるタイミングと見て間違いなさそうです。
11.突然蹴るような動作をする
足を組んでいる人や、貧乏ゆすりをしている人が、突然膝から下で何かを蹴とばすようなしぐさをすることがあります。
このしぐさは、無意識のうちに不快な感情をやっつけようとして起こっているようです。
何か、その人にとって、とても不快な思いが生じたと考えられます。
このしぐさの意味を活かせば、相手の嘘を見破ることにも使えるそうです。
12.椅子の下で起きる足のしぐさ
椅子に座っている人の足が、椅子の下でしぐさをとることがあります。
足を椅子の下に隠す
前に出していた足を椅子の下に隠してしまうように引っ込めるしぐさをとる人がいます。
この場合、足をなるべく相手から遠ざけたいという心理を示しているようです。
その人が強い不快感や不安を感じていると言えます。
商談などでも、相手が急に椅子の下に足を引っ込めた場合、その話題は相手にとって話たくない内容の可能性がありそうです。
場合によっては、話題を変えたほうが良さそうですね。
足首を交差させる
座っている人が、椅子の下で足首を交差させたら、その人物は何らかの不安や不快を感じていると見て良さそうです。
足首を交差させるしぐさは、足の動きを止めるしぐさと同じく、何らかの気持ちの変化があったことを示しているからです。
足首を椅子の脚に絡める
椅子の脚に足首を絡めるようにして座る人がいます。
この動作も、足の動きを止めるしぐさと同じ意味を示しているようです。
何らかの不安や不快などのストレスを感じていることを表しています。
まとめ
いかがでしょうか。
言われてみれば、あなたも無意識にとっているしぐさもあったのではないでしょうか?
相手の「足」に注目することで、日々のコミュニケーションがもっと楽にできるかもしれませんね。
この記事があなたのお役に立てば幸いです。


ジョー・ナヴァロ,マーヴィン・カーリンズ(2010)FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学(西田美緒子訳) 河出書房新社.